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> 昭和40年代フォーク・グループ・セレクション(追悼・天野滋)
■ シローとブレッド&バター 『ムーンライト』
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69年に「傷だらけの軽井沢」でデビューしたブレッド&バターにタイガース〜サリー&シローと活動してきた岸部シローを加え、CS&Nタイプのスタイルでリリースした唯一のアルバム。バックは当時はっぴいえんどの鈴木茂、フォー・ジョー・ハーフの林立夫と駒沢裕城ほか、堀内麻九(譲)、山内テツ、原田裕臣、後藤次利、近田春夫、柳田ヒロなどが参加している。
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■ ラム 『ラム・フライ』
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チューリップ、甲斐バンド、海援隊、長渕剛などを生んだ福岡の伝説的なライブハウス・照和出身の3人組。プロデュースは惣領泰則(シングアウト〜ブラウン・ライス〜惣領泰則&ジム・ロック・シンガーズ(ジム・ロックス))が担当、ソフト・ロック・アルバムとしては、彼のアルバム同様、上品な内容に仕上がっている。
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■ RCサクセション 『初期のRCサクセション』
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70年にデビューしたRCサクセションの72年のファースト・アルバム。当時の忌野清志郎は、翌年のシングル「三番目に大事なもの」まで使用した肝沢幅一のペンネームで作曲をしている。小林和生のウッド・ベースのノリといい、清志郎の個性的な歌いまわしと曲といい、当時のフォーク・グループの中では完全に異彩を放っている。同時期に提供した、かぐや姫「あの唄が想い出せない」、井上陽水「帰れない二人」などにも清志郎の個性はにじみ出ている。
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■ 古井戸 『オレンジ色のすけっち』
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加奈崎芳太郎と仲井戸麗市のフォーク・デュオ、古井戸の72年のセカンド・アルバム。名盤の誉れ高いファースト・アルバム『古井戸の世界』からわずか半年ほどでリリースされたにもかかわらず、「六月の壁に」「抒情詩」「ポスターカラー」など名曲がそろっている。79年のライヴを最後に解散、解散後仲井戸麗市は、RCサクセションに加入。加奈崎芳太郎は、ソロ活動の後、古井戸2000を結成した。
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■ マイペース 『東京』
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山平和彦バック・バンドとしてしられ、74年にシングル「東京」をヒットさせた3人組。本作は翌75年にリリースしたファースト・アルバム。伊藤進のフルートをフィーチャーした「あなたに」は、アシッドな雰囲気を感じるナンバー。アルバムはもう一枚翌年に『マイペース』をリリースしている。
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■ ジ・オフ・コース 『群衆の中で』
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デビュー当時は3人組だったジ・オフ・コースの70年のデビュー・シングル。アメリカのDeen Bettyのカヴァーで、訳詞は山上路夫が担当している。72年には二人組になり、バンド名もオフ・コースとなる。セカンド・シングル「おさらば」では、ビーチ・ボーイズ風の壮大なコーラス・ワークが聴ける。ファースト・アルバムはふたりになって73年にリリースした『僕の贈りもの』だった。2枚のシングルはオリジナル・アルバムには未収録ながら『オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989』で聴くことができる。
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■ クラフト 『スケッチブック』
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「僕にまかせて下さい」のヒットで知られるフォーク・グループ。本作はBs&Voとして濱田金吾が参加してのサード・アルバム。濱田金吾はのちにソロとしてAORの名盤を多数残している。本作でも三井誠(Vo&Gt)と森谷有孝(Vo&Gt)の3人が作曲を担当しており、三者三様のタイプの曲を楽しめる。
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19年ぶりのNSPのオリジナル・アルバム『Radio days』でインタビューを担当したフリーライターの鈴木勝生氏にNSPの思い出を語ってもらいました。NSPとは音楽雑誌「新譜ジャーナル」の編集長時代からの付き合いで、NSPの良き理解者でもあります。
2005年3月12日、NSPは渋谷公会堂のステージに立っていた。19年ぶりのオリジナル・アルバムの発売記念コンサートで、気取りのないおしゃべりと温かな演奏と歌が展開されている。天野君が「人として」、「さようなら」で感極まり、中村君と平賀君は、互いに軽口をたたきながらソロをとる。いつものNSPの心温まるステージだ。二度のアンコールの後、天野君がファンへの感謝の言葉の後で、「明日、入院します」とポツリといった。コンサート終了後の打ち上げは、みんなが列を作り一人ひとり天野君に挨拶を。私は平賀君とちょっと話し、天野君とは会わずに帰ってきた。それが最後になるなんて夢にも思わないで。
NSPとの出会いは、 デビュー曲「さようなら」に遡る。感傷的だけと素直な歌で、歌謡曲でもポップスでもない新鮮な感覚で聴いた記憶がある。以来、ミュージシャンと編集者、ライターとして付き合わせてもらった。
個人的に印象深い取材として、再結成の活動が始まる前の2001年8月17日、初めてギターに興味を持った頃からのインタビューがある。天野君はギター12本を持ってきて、1本1本撮影しながら、ギターすなわち自分の音楽への思いを話してくれた。ベテランに十代の頃からの話をまとめて訊く機会はめったにないので、これは良かったと思っている。
もう一つは、2005年1月29日に再結成後初のオリジナル・アルバム『Radio days』についてのインタビュー。天野君の印象深い言葉として、「映画を観ても、ストーリーの面白さだけでは満足できない。映像美やアングルの面白さがないと好きになれない」。彼の作る楽曲にも流れている美学だろう。
なお2005年9月17日、品川プリンスホテルで「お別れ会」が行われた。当日は、'70年代からのスタッフやマスコミ関係者など百人余りが集まり、親交のあったchar、元ふきのとうの細坪基佳(それぞれ1曲演奏)、中島みゆき、杉田二郎、プロデューサーの瀬尾一三などの顔も見える。懐かしい仲間が集まり、司会の大石吾郎の言う”天野君が呼んでくれた同窓会的集まり”となった。最後に中村・平賀両君が、天野君の歌・映像と一緒に「さようなら」を演奏。私もつい目頭を熱くしてしまった。あまりにも早すぎる「さようなら」だったから。合掌。
鈴木勝生(すずき・かつお)●東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。音楽雑誌「新譜ジャーナル」編集長を経てフリーライターへ。著書として「風に吹かれた神々〜幻のURCと全日本フォーク・ジャンボリー」。文章中のギター・インタビューは「アコースティック・ギターブック 日本のフォーク3」(シンコー・ミュージック刊)、アルバム・インタビューは、CDジャーナル2005年3月号(音楽出版社)に掲載。
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