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THIS IS 大韓ロック

 昨年ブレイクした「冬ソナ」のブームで韓(はん)流ブームが続いています。その余波で韓国の音楽も最近人気上昇中ですが、今回はまだ韓国ロックが過渡期だったころの70〜80年代の韓国ロックを特集してみます。けしてかっこよくはないけど、黎明期だけあって熱い何かがある、まさに60年代末期のサイケの波は70年代に韓国に上陸したのです!

申重鉉&ファミリー
■ 申重鉉 『嘘だよ』
嘘だよ
 韓国発のエレキ・バンドのADD4のギタリストで、大韓民国GS協会会長の申重鉉(シン・ジュンヒョン)が、70年代初めにリリースした全3曲入りながら47分収録の気合の入ったアルバム。中でも後々何度もリメイクされる「コジンマリヤ(嘘だよ)」は、23分にもわたる大曲で、アドリブの応酬のあと、元テーマになかなかもどれなくなってしまうという、力技の名演。

■ 申重鉉&YUP JUNS 『第1集』
第1集
 申重鉉が、自らのユニット、申重鉉&葉銭達(YUP JUNS=ヨプチュンドル)を結成しての74年にリリースしたファーストアルバム『第1集』。チープなリズム隊に重鉉の微妙なリズムのギターがからむ韓国のジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンスといっても過言ないだろう(だめ?)。ワン・コードの中、あきらかに弾きにくい指使いのリフを延々くりかえす「美人」は、初の韓国ハード・ロックといえる。ソロのリズムがおもいきりずっこけているのも計算かもしれない。

■ 申重鉉&YUP JUNS 『INSTRUMENTAL BEST』
INSTRUMENTAL BEST
 申重鉉のナンバーをヨプチュンドルがインストルメンタルとして演奏したアルバム。ゲストにフルートを向かえカルテットに編成を変えている。フルートというとお洒落なイメージを想像するかもしれないが、そんなイメージは1曲目を聴いたとたんに吹き飛ばされる。粘着質のリズムと土着的なメロディは、アシッド感覚たっぷり。この後、朴政権の弾圧によって、多くの曲が放送禁止になり、80年まで活動は停滞してしまう。

■ 申重鉉&ミュージック・パワー 『第2集』
第2集
 重鉉は、80年代には新バンド、ミュージック・パワーを立ち上げる。ファースト・アルバムはYUP JUNSの延長上にあるサウンドだが、82年にリリースされたセカンド・アルバム『第2集』は、技術はけして高くはないが熱いスピリットが伝わってくるハード・ロック・サウンド(が、空回り気味)。

■ 申重鉉 『GREATEST HIT』
GREATEST HIT
 申重鉉が自らの曲をリメイク、新レコーディングした87年のアルバム。チープなリズム・マシンと奇妙なオーヴァードライヴを使用した結果、オリジナル・ヴァージョンより躍動感はなくなるも個性は倍増。自らの名曲を、歳を重ね、新たに血を注ぎ込もうという心意気はすばらしい。

■ 申重鉉 『無為自然』
無為自然
 93年にリリースした重鉉の2枚組の超大作ソロ・アルバム『無為自然』は、まさしく韓国ロックの金字塔。87年の『GREATEST HIT』と同じく、自らの名曲にまた血を注ぎ込むというコンセプトで、新曲も収録して聴き応え満点になっている。革新的なギター奏法を編み出し、職人的なテクニックを披露した名盤。

■ 申・ユンチョル 『第1集』
第1集
 申重鉉の次男、申・ユチョルの88年のデビュー・アルバム。モダンなロック・アルバムに仕上がっており、思いのほか出来は良い。古きよき70年代サウンドを感じさせる内容で、父・申重鉉に「本当にすばらしい曲を書いた」と絶賛された。ソロ活動後は自己のバンド、ポクスンアを結成したがイギリスに留学、活動は停止してしまった。

■ シナウィ 『第1集』
第1集
 80年代後半には韓国にもヘヴィ・メタルの波がおしよせ、86年にデビューしたのが申重鉉の長男の申大哲(シン・デチョル)率いるシナウィ。『第1集』は、林(イム)・ジェポムのイアン・ギランがのどの調子悪くなったかのようなヴォーカルで、ある意味すごい。ジャケットのレタリングがまがっていても気にしない熱い心意気!

■ シナウィ 『第3集』
第3集
 ジェポムはファーストで脱退、セカンドからは金ジョンソが加入した。バッジーのバーク・シェリーのような超ハイ・トーン・ヴォーカルが印象的な『第3集』は、父の申重鉉の作品集でブルース・フレーヴァーあふれる佳作。真の韓国ブルース・ロックといえる作品。

■ 外人部隊 『第1集』
第1集
 シナウィのヴォーカルの林・ジェポムが脱退後に結成したのが、ハード・ロック・バンド、外人部隊だ。ジェポムのヴォーカルはさらにイアン・ギランがのどを悪くしたようになっており、同情を誘うほど。曲はかなり出来がよくなって及第点の出来。ただメタルと思って聴くと、おもいきり歌謡バラードなども収録されていて、どこか垢抜けないのが魅力(?)。ジェポムは現在バラード・シンガーに転身しており、アルバム『HISTORY』などをリリースしている。

■ キム・ジョンソ 『IN カリスマ』
IN カリスマ
 シナウィの2代目ヴォーカリストのキム・ジョンソが結成したハード・ロック・バンド、カリスマの唯一のアルバム。雰囲気はアメリカン・ハード・ロックやブリティッシュ・ハード・ロックのどちらかよりも、日本のラウドネスや44マグナムに近いか。曲がシナウイよりも弱く、シナウィで共作していた申大哲の作曲能力の高さを実感してしまう。このあと金はバラード・シンガーに転身して、92年にアルバム『REHTONA』をリリースする。

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